2014年4月にシネスイッチ銀座1館にて日本初公開され、口コミやTV報道などをきっかけにロングラン上映中の映画『チョコレートドーナツ』。国内では当初、一館のみでの上映だったにも関わらず、今や地方都市を含め100館を超える見込みであり、その全国興収は公開6週目にして1億円を突破した。
そんな話題作のオリジナル・サウンド・トラックがいよいよ8月1日(金)に発売される。
本編は、1970年代のアメリカ・ブルックリンにて起きた実話を基にして作られたもの。ゲイのカップルが障害を抱えた男の子を育てるという困難な状況に置かれつつ、ピュアな愛情や正義について問うヒューマン・ストーリーだ。主演のルディを演じたのは、『キャバレー』でトニー賞を受賞し、ミュージカルの本場ブロードウェイでもその実力を認められているアラン・カミング。ストーリーに加えて、当時の雰囲気を伝えるディスコ・チューンを筆頭に、劇中で流れる音楽も本作の大事な要素の一つ。中でも観客から大きな賞賛を浴びているのが、アラン・カミング演じるルディが劇中で歌う“I Shall Be Released”のカヴァーだ。彼が歌う“I Shall Be Released”に心を揺さぶられ、涙する観客が続出したとも言われているほど。本曲はもともとボブ・ディランが作詞・作曲を手掛け、1967年にレコーディングさた楽曲。美しい旋律に乗せて社会的・宗教的メッセージを込めていることでも当時話題になり、これまでにも多くのミュージシャンのカヴァー・ヴァージョンが存在してきた。ここ日本でも、岡林信康や忌野清志郎らが日本語歌詞を付けてカヴァー楽曲を発表したことも有名である。また、ザ・バンドの解散ライブをおさめたマーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー『ラスト・ワルツ』でも、ライブのフィナーレでボブ・ディラン、リンゴ・スター、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、ジョニ・ミッチェルなどの蒼々たる面子が一同に会して“I Shall Be Released”を合唱する感動的なシーンがあり、音楽ファンにとっては伝説の名曲となっている一曲。映画内では、ルディが全身全霊を込めて本編のラストに“I Shall Be Released”を熱唱。歌詞のなかのフレーズ、〈Any Day Now(いつの日か)〉は本作の原題にもなっており、まさに映画の核を担う楽曲だ。もちろん、サウンドトラック本編にもルディ役を演じるアラン・カミングのヴァージョンが収録されている。ほかにも、アラン・カミングの歌唱による”Love Don’t Live Here Anymore”や“Come To Me”、作品のエンドロールを飾り、2012年アカデミー賞オリジナル楽曲賞候補にもなったルーファス・ウェインライト”Metaphorical Blanket”などを収録。まさに聴けば聴くほど『チョコレートドーナツ』を想い出すことが出来る、必携盤サウンドトラックだ。