TU CHERCHES QUOI ~introduction~
音楽の制作活動としては、1982年にリリースされたファンク曲「Vacances j’oublie tout」で知られるElégance(エレガンス)のチームとコンタクトを取りながら執筆活動を行っていた。スタジオの使い方を教えてくれたのは、本作『Tucherches quoi』でも一緒に仕事をしているピエール・ジトー。すべての始まりは、イヴ・モンタンが書いたプレヴェールのテキスト「Pour faire le portrait d’un oiseau」であり、彼は、2003年のファーストアルバム『Living on the Edge』のオープニングで、このテキストを優雅に音楽に載せるという技を披露。続いて2007年にはセカンドアルバム「HelloMademoiselle」が発売され、パリのファッションシーンを象徴するCharles Shillingsや、「Ingrate」のAlain Chamfortなどが参加。2014年に発表された「Bloody French」は、若き日の彼が英語を学ぶためにロンドンのパブで働いていたときに、イギリス人の上司が彼をそう呼んでいたことから名付け、まさにハウスミュージックと、ラテンアメリカからアジアまで、彼がハウスミュージックに関わってきた国々への真の愛の告白として表現された一枚であった。
そしてそれから7年後の本年発売の新作、『Tu cherches quoi』では、その間にステファンが創作活動により一層の磨きをかけ、モンペリエの自宅のスタジオにてピエール・ジトーと3年ほどかけて楽曲を制作した後、フランス系アメリカ人のガスパール・マーフィーと出会い、彼のソウルフルな歌声で「Sad Man」を収録。さらに、ブルース・スプリングスティーンとのコラボレーションのほか、サウンドエンジニアとしても活躍するガスパールはアルバムを完璧に理解をしたうえでアルバムのミキシングを行うこととなった。
TU CHERCHES QUOI ~track information~
まさにアルバムの一曲一曲がシングルともなりえるとも言える収録曲の数々。ジュリエット・リチャードが歌うリード曲”Go on”は、このアルバムからのからのファーストシングルであり、そして”Waiting for the plane”では、ベルベットのようなキーボードとギターのコードのリズムに合わせて、フランスのバンド、ヌーヴェル・ヴァーグプロジェクトで取り上げられたロシア人シンガーでもあるジェニア・ルビッチによるヴォーカルがヘッドフォンの中からまさに飛び立つようである。若手プロデューサーのPyramidが手がけたハウスアンセム”I think about you”や、モンペリエ出身のAlexandre Wielkiが手がけた勢いのある”R U There”など、まさに”ロードトリップ”は続く。対照的に、ステファンのテイストが一気に花開く2ndシングル「Dansla danse」ではDuneと組み、前作「Bloody French」ですでに共演したMarie Herbautは、「Pistol」と「GoldenCage」でシルキーで高揚感のある声を聞かせてくれる。また”Something new”では一気に楽曲に色彩を放ち、アルバムの2人目の男性ヴォーカルのDesmond Myersが「Love me natural」をセクシーなファンクで彩っている。また、アフリカの児童合唱団による”Circle Danse “や、マリア・ガドゥが歌うブラジル風の”Shimbalaiê “など、欧米を飛び出した地域に向かって美しくロードトリップは完結するのである。
ステファン・ポンポニャックの才能はまさにその音楽的センス。つまりそれは、私たちが目を閉じたまま身を任せることができる、豊かで統一感のあるアルバムを提供することができる才能ともいえる。それは、最初から最後まで巧みに導かれた、多彩でありながら一貫性のある旅。一人で聴いても、友達と聴いても、旅先やビーチで聴いても、昼でも夜でも、自然体で生き生きとしたトラックが次々と現れ、人生に欠かせないリラックス、解放、幸福感、多幸感を徐々にもたらす、まさに「何を探しているのか…」(アルバムタイトル「Tu cherches quoi」)何もない、全てがそこにあるのだから。
<Tracklist>
1. Go on (featuring Juliette Richards)
2. Waiting for the plane (featuring JeniaLubich)
3. I Think about you (featuring Laufi)
4. Sad Man (featuring Gaspard Murphy)
5. Dans la danse (featuring Anja Fouge)
6. Tu cherches quoi (featuring Ann-Shirley Ngouassa)
7. Pistol (featuring Marie Herbaut)
8. R U there (featuring Ann-Shirley Ngouassa)
9. Something New (featuring Chine Laroche)
10.Shimbalaie (featuring Maria Gadu)
11.Love me natural featuring Desmond Myers (featuring Desmond Myers)
12.Golden Cage (featuring Capucine du Pouget)
【国内盤】
タイトル:TU CHERCHES QUOI (テュ・シェルシュ・コワ)
アーティスト:ステファン・ポンポニャック
Stephane Pompougnac
発売予定日:2021年11月19日(金)
品番:RBCP-3406 JAN:4545933134065 フォーマット:CD
価格:2,500円(税抜) 2,750円(税込) ジャンル:ダンス/ハウス/フレンチポップ
■Stephane Pompougnac
コンピレーションアルバム「ホテル・コスト」の天才的クリエーターであり、ラグジュアリーでエレガントなフレンチタッチの王子、ステファン・ポンポニャックが、ダンスフロアと同じくらい心を温める4thアルバム「Tu cherches quoi」を発表。一貫性のないプレイリストに溺れている昨今、このコンセプチュアルで輝く光すら感じられる、そんなエレガントなハウスのリズムの旅に連れだしてくれる。ステファン・ポンポニャックの魅力はその音楽的センスに尽きる。高校卒業前にキャリアをスタートさせ、数々のクラブでステージを盛り上げた後、その完璧な耳のおかげで、1990年代のパリのクラブ(Diable des Lombards、Bains Douche)でブレイク。そして「ホテル・コスト」のCD選曲で大成功を収めたあとは、トップレベルのコラボレーションを実現し(マドンナのオフィシャルリミックスを担当したり、ミック・ジャガーのDJ、R.E.M.のマイケル・ストライプを迎えた「Clumsy」など)。15年以上にわたる同シリーズは700万枚以上のセールス、5枚のプラチナディスクと14枚のゴールドディスクという輝かしい経歴があっても、今も彼は「人々を踊らせるのが好き」と謙虚に言い続けている。
まさに”フレンチシックの象徴”でもある彼はグッチ、ブルガリ、高級ホテルチェーンのWホテルなど、ラグジュアリー界のビッグネームでキャリアを積み、イビサ島のSunset Sessionsと香港のKee Clubでの2つのレジデンスの間に、Caronの香水「Yuzu」の広告の音楽や、宝石店Savelliの携帯電話のサウンドデザインを制作するなどその活動は多岐にわたる。また、カンヌ映画祭からF1グランプリまで、ロサンゼルスからジャカルタまで、DJとして世界を舞台に活動を今も続けている。