2013年、「1つ」を表すポルトガル語「UM」をデビューアルバムとして発表したDDG4。それまでの、一般的なブラジルミュージックという概念を覆す、ブラジリアンテイストを残しつつも、大胆なジャズのアレンジと圧倒的なスピード感ながらも、カルテットが「1つ」にまとまる独特なスタイルであっと言う間に日本のファンを虜にした。そして、デビューアルバム発売早々、日本最大のジャズの祭典、「東京JAZZ」のステージでライブを披露、その全貌を表し、アルバム以上のパワフルかつ卓越した技量でアーティストとして、そしてミュージシャンとしても批評家筋からも絶賛をされた。
そして、翌年に発売されたセカンドアルバム「Luz-光」では、行く先を照らし出す<光>や、将来への希望を表す<光>など、カルテットの各メンバーから放たれるそれぞれの<光>が昇華され、完成したアルバムは前作を勝るとも劣らない力強い作品として仕上がり、デビューからわずか2年で全国7都市での縦断ジャパン・ツアーを成功させた。
そしてデビューから3年目にあたる2015年の第一作目は、完全な企画盤として発売される「NEON」。誰もが知っているロックやポップスのスタンダード曲を、彼らの大胆かつジャジーなアレンジで、まったく違う曲の魅力を伝えてくれている。それは、世界中から愛される曲は如何様にアレンジされても、決してその曲の素晴らしさは変わることはない、と伝えているかのようでもある。
DDG4は単なるカルテットのバンドではない。
近年、ブラジル音楽の新たな潮流として注目されているのが「Novos Compositoresノーヴォス・コンポジトーレス」と呼ばれているムーヴメント。これまでのMPBの流れを踏襲しつつも、大胆で斬新なアレンジを施した次世代のブラジル音楽だ。そのシーンの牽引役としてブラジル音楽愛好家やアーティストから愛されるヴォーカルのダニ・グルジェルという側面も持ち合わせていることから、今回はなんと、彼女がオススメするNovos Compositoresの曲を、「読書しながらのBGMにピッタリの曲」というテーマの下で選曲したCDも特別に別パッケージで収録。彼らが幼少のころから親しんだスタンダードの大胆なカバー曲だけではなく、先鋭的なNovos Compositoresの曲までを堪能できる、まさに贅沢なアルバムとなっている。
<Track List>
1. Kiss from a Rose (オリジナル:シール)
2. Sweet Child O’Mine (オリジナル:ガンズ・アンド・ ローゼズ)
3. Human Nature (オリジナル:マイケル・ジャクソン)
4. September (オリジナル:アース・ウィンド&ファイアー )
5. Sir Duke (オリジナル:スティーヴィー・ワンダー)
6. Express Yourself (オリジナル:マドンナ)
7. Smells Like Teen Spirit (オリジナル:ニルヴァーナ)
8. Get Back (オリジナル:ビートルズ)
9. Rock With You (オリジナル:マイケル・ジャクソン)
10. Every Little Thing She Does is Magic (オリジナル:スティング)
<アルバムに寄せて~ダニ・グルジェル>
アルバム”NEON”は、私たちが子供のころからラジオとかで聴いていたような音楽にもっとも新しいブラジルのリズムとジャズのハーモニー融合させたものです。選曲の元となったはシンプル且つ心温まるもので、つまり家で、車の中で、もしくはシャワーでずっと口ずさんで来た曲ということです。美しいメロディ、そしてそれがすでに私たちの心や手の中にすっかり沁みついていて、そしてDDG4が奏でる音のようにも聞こえる、ということです。
これらの曲はスタジオで4人で全曲一発録りを行ったもので、それはとても刺激的であり、そしてどんなに楽しかったことか。そしてこのアルバムの目的は、まさにあなたのリビングで音楽を演奏してにぎやかなひと時を過ごしているかのようなメンバーのエネルギーがそのまま伝わることです。そしてみなさんと一緒に楽しんでそしてリラックスしてもらえて、そしていつか実際にお会いするなどして直につながることを望んで止みません。
皆さんのご多幸と、地球の反対側にいるけれども音楽のおかげでとても近くにいると感じることができる普遍的な言葉-「音楽」に対する感謝を込めて。