高級メゾン・ブランドのファッション・ショーなどの音楽を手掛けてきた音の魔術師プリケル。
美しすぎる音像を体感できる衝撃のデビュー・アルバム。
トマ・ルーセルによるプロジェクト、<プリケル>は、あらたな構造のポップ・ミュージックであり、人々を銀河の中へと誘う音楽、そしてオーケストラが奏でるクラシックとエレクトロ・ビートが絶妙に絡み合う音世界だ。2015年に発売されたEPに新たな10曲を追加した『The Future Comes Before』。大規模なストリングスのアンサンブルと、ドラム、そしてアナログ・シンセサイザーを用いて不可能を可能にしてきた音楽理論者が、このトマ・ルーセルでありプリケルなのだ。
プリケルが提示する、多次元的でスリリングな音世界はキャッチーなポップスでもあり、官能的なR&Bでもある。また、主録曲のうち、5曲にはヴォーカルをフィーチャーしている。その一人が、レイ・モーリスである。イギリスを拠点とする彼女は、”Part XIV”で情熱的でフェミニンな歌声を披露している。”Part XII“では、女優であり画家としても活躍するシンガー、クレア・ラフーを招き、彼女の温かい歌声が静寂の中に映える一曲に。”Part XI”に参加したファイフはイギリスのオルタナ・ポップ・シーンで活躍するシンガーであり、フューチャリスティックなロマンチシズムを加えている。一方、”Part IX”ではアメリカ・ポートランド出身のシャイ・ガールズがかつてのR&Bのコアな要素を本作へと持ち込むことに成功している。”Part VII”にヴォーカルを吹き込んだクルーエル・ユースは、グラミー賞にもノミネートされたリアーナ“Kiss It Better”を共作したテディ―・サンクラ―が所属するバンド。プリケルのストリングスと彼女のエネルギッシュなディーヴァ・ヴォイスが絶妙に絡み合う仕上がりに。
そして、本作の根幹を担うオーケストラにも注目だ。2つの偉大なシンフォニック・オーケストラが参加。その一つはロンドン・シンフォニー・オーケストラだ。これまでにも「スターウォーズ」や「ハリー・ポッター」シリーズなどをはじめ、いくつもの名スコアを手掛けて来、ビートルズの名盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』にも参加した名門オーケストラである。もう一組のオーケストラが、イゾベル・グリフィス・オーケストラだ。彼らはこれまでにアデルやマッシヴ・アタックといったアーティストをはじめ、ハンス・ジマーやトーマス・ニューマンら、名だたる映画音楽作家たちとともに1,000を超えるスコアに携わってきた。大人数のオーケストラを率いて演奏するプリケルのライヴ・パフォーマンスも、世界中で高い評価を得ている。CHANELやKENZO、Dior Hommeなどがそのパフォーマンスに惚れ込み、自社ブランドでのファッション・ショーなどにプリケルの楽曲を起用しているのだ。例えば、“Part V”は、1990年代にスーパーモデルたちとともに一世を風靡したティエリー・ミュグレーの香水の、新ブランドのためのキャンペーンに使用されたものである。
本作を通して聴けば、プリケルの壮大なプロジェクトを体感することが出来る。宇宙的でありアヴァンギャルドでもあるプリケルの魔法の世界を、とくと味わってほしい。
TRACKLIST
1. Part XV
2. Part XIV feat. Rae Morris
3. Part XIII
4. Part XII feat. Claire Laffut
5. Part XI feat. Fyfe
6. Part X
7. Part IX feat. Shy Girls
8. Part VIII
9. Part VII feat. Cruel Youth
10. Part VI
11. Part V
12. Part IV
13. Part III
14. Part II
15. Part I
【国内盤】
タイトル:The Future Comes Before(ザ・フューチャー・カムズ・ビフォア)
アーティスト:プリケル
発売予定日:2017年12月13日(水)
品番:RBCP-3224 JAN:4545933132245
価格:2,500円(税抜) ジャンル:クラブ、ダンス・ミュージック